2014年01月09日
土方巽-はるかなる視線「アルトーのスリッパをもって」−6
「詩が舞踏になります」
舞踏は、あらゆる言語を溶かし、そこには宇宙の
微粒子がある。「からだ」がすべてのものを受け運び・・
生成変化してゆく。田中泯にもありますが、言語を引き受け、
引き裂かれた「からだ」の残酷さ、アルトーのスリッパを
持っていない。場所に反応する「からだ」の記憶を持っている。
土方巽は、言語で埋め尽くされた「からだ」の
雪崩をもっている。 ヴォルスの崩れかった幾つもの線、
ベーコンの顔貌性、ベルメールのイマージュの力学運動、
これらの「からだ」をもって命がけで立っていた。
「疱瘡譚」は祖先への星々の闇の光であり、
「静かな家」は、赤い神をもって土方巽は向こう側へ
逝ってしまった。それ以来二度と踊らなくなった。