2009年12月23日

ジョエル=ピーター・ウィトキン「神秘とグロテスクそして聖者なのか」−1

EK22-01

ウィトンキン5

 


EK22-01
「ウィトキンの写真集
より鉛筆スケッチ」

 

 

 

 

Ref:[Sanitarium, New Mexico1983
       photo:Joel-peter Witkin]

このタイトルの写真にでてくる被写体の「太った女性」は、ロープで首吊りにされた猿の死体から2本の管で、彼女の口と接続されているのだ。あらゆる生命体の血を吸って生きている奇妙な吸血鬼にさえおもえる。なんというグロテスクさなのだろうか。わたしはその彼女(被写体)がサトゥルヌスのように感じたのだ。その印象をわたしは急いでスケッチしてみた。いったい彼女はサナトリウム「(Sanitarium)=療養所」で何を療養しているのだろうか・・、わたしには彼女が「サターンの女王」にさえ観えてくるのだ。そこでわたしはソファーに横たわっている、この威容に太った女性を「サターンの女王」として描いた。

わたしはこのサナトリウム(Sanitarium)というタイトルが、何を意味しているのか分からない。しかしこの言葉によって誘発される、ある存在が被写体と巧妙に絡み合って、わたしの感覚に訴えてくる「何ものか」がある。それにしても、ウィトキンの写真はグロテスクなのかエロティックなのか、あるいはゴヤの絵に出てくるサトゥルヌスなのか、理解不能の彼方からイメージがやってくる。その感覚はわたしを刺激するのだ。

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