2011年06月
2011年06月20日
水浴をする人「空間についてスケッチ」−1
GF20-05B
GF20-05B
「水浴をする人」
「水浴をする人」
この画像(GF20-05B)は「水浴をする人、1909年
New York, The Museum of Modern Art 」にある
マティスの作品をわたしがスケッチしたものです。10点ほど
スケッチしている。そのうちのひとつです。マティスの作品の
なかで最も論理的で哲学的な深い内容をもっています。
わたしの好きな絵のひとつです。
マティスの描いている人物像は、非常にシンプルで背景はブルー
一色で宇宙のすべてを描いてる。水と空の境がなく、イメージが
無限に広がって素晴らしい作品です。わたしはそのイメージを
つかみたいとおもい、スケッチしました。すると、どんどんセザンヌ的
になり、ついにはジャコメッティに接近してくる。もともとマティスの
「水浴をする人」のポーズが、あのジャコメッティと
類似しているのです。存在論として当然といえる帰結です。
マティスでは、頭部が完全に球体で描かれています。全体が眼に
見えない幾何学的構成、--それが生成してくるのです。
その結果ダイレクトに脳髄を刺激する強度をもって現れてきます。
わたしはその存在に刺激されてスケッチしてみた、というわけです。
マティスの「水浴をする人」の作品を存在論として詳細に
カテゴリの「マティス」で論じています。知りたい方はそちらを
御覧になってくだざい。またジャコメッティについても、この
「水浴をする人」と、どこかテーマが類似しいるところがあります。
これについても論じていますので御覧になってください。
マティスはわたしにとって非常に重要なアーティストです。
デュシャンが「ゼザンヌよりむしろマティスを発見したことだった」
と、対談でピエール・カバンヌに語っている。
これは興味深い出来事です。